塩レモン一年分

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塩レモン

去年作った塩レモンがもうすぐなくなるタイミングで、
よくしたものでレモンが出回る時期となった。
20年農薬を使っていないという自慢の無農薬レモン一個100円を20個買ったら、
3個おまけがついてきた。

どれもぶつぶつと黒いあばた顔である。特におまけはゴマまぶしのおはぎのよう。きれいなものを選別し(18個くらいだったかな)、あとは果汁のみ使用。

作ってみたら果汁が足りなくて、近所の農家マーケット(市場とスーパーとフリマを足して三で割ったような売り場)から、3個で150円が100円に値下げになっていたやつを追加購入。こちらは無農薬とうたってはいないけれど、ノーワックスだし、輸入物よりはぜんぜんマシだと思う。

作り方はいたって簡単。去年も適当レシピでうまくできたので、それを思い出しながら今年も適当に作る。要は、レモンに対して塩15%、これだけである(塩の割合は10-20%とされているもよう)。

それでもざっくり作り方を書いておこうか。

①よく洗ったレモンの水けをふきとる(あるいは乾くまで放置しておく)
②レモンの端を切り落とし、重さをはかり、15%の塩(あらじおなどが良)を用意する。
③レモンは、輪切り、くし型などに適当に切りわける。水分がなるべく出やすいように、断面が斜めになるよう包丁を入れると良い。
④塩でまぶしながら瓶*に詰めていき、最後に残った塩で上部をおおう。
⑤時々瓶の上下をひっくり返して、溶けた塩+果汁がまんべんなく行きわたるようにする。
⑥翌日になってレモンがかぶるくらい水分が上がってこない場合は、レモン果汁**を足す。
⑦この状態で室温で1週間(時々ひっくり返しながら)置く。
⑧1週間から10日で食べられるようになる。あとは冷蔵庫で保存する。
 
*瓶は煮沸せよ、とたいていのレシピにあるけれど、去年、しない瓶も問題なかったので、今年は全てではしょった。ただし、金属の蓋は要注意。レモン酸で錆びてしまう。プラスチックの蓋と、蓋の内側がビニールコーティングしてあるものを使った。
**水分が上がってこない場合は塩水を足す、というレシピもあり。今年は結構果汁をたくさん足した。味は未検証。

 

これをどんな料理に使うのか。クックパッドなんかに山ほど載っているけれど、チキンタジン(チキンと根菜の煮込み)なんかがおすすめ。

オリーブオイルと、水分が足りない場合は少し水を足しながら、玉ねぎとトリとジャガイモ、カブ、ニンジンなんかに塩レモンで適当に蒸し煮する。塩・コショウ・ハーブも少し。

先日最後に残った去年の塩レモンでつくったら、一年物塩レモンは発酵も進んで、煮込んでしまうとレモンのきつい味は全くせず。トリはやわらかでうまみが増し、美味であった。

でも、一番簡単で使いやすいのはサラダ。我が家のこの一年の消費のほとんどもサラダドレッシングなのである。

①小瓶に小分けする程度の量をフードプロセッサーでペースト状にしておく。
②サラダ用の鉢に塩レモンペースト適宜+エキストラバージンオリーブオイル適宜+ひいた粒こしょう適宜を入れ、混ぜる。
③サラダ鉢にセロリそぎ切り、セロリの柔らか葉っぱきざみ、釜揚げシラス(もしくは干ししらす)を入れ、良く混ぜる。

※野菜は大根、カイワレ、カブ、キュウリ、レタス、水菜など、どんな野菜でもOK。野菜の相方は相性を懸案し、シラスの代わりにハム千切り、痛めベーコン、昨夜の残ったステーキ薄切り(もちろんローストビーフも)、ツナ缶、油揚げ、チーズなどを組み合わせる。ゆでたタコも塩レモンサラダの定番で、セロリorキュウリ(+ドライトマト+輪切り唐辛子)が定番だけれど、意外なところではゆでジャガイモとタコもGood。

※味に変化をつけるには、ポン酢を加えたり(和風になる)、粒マスタードを加えたり(冬の柔らかいカブ+カブの葉の細切れなんかによく合う)。

 

ところでこの塩レモン、どこからやって来たのだろう。レモンのたくさん採れる国がオリジナルであるのは確かだろう。どこかで、モロッコでは家庭で漬ける(今は市場で買う)梅干しのような存在だ、と聞いたことがある。

私が見かけたのはエジプトである。旧市街の細いショッピングストリート。茶店とか金物屋とかが並んでいるあたり。でっかいバケツみたいな瓶に、レモンがまるごと漬けて売られていた。汁は、透明であった。

まだ食べていないけれど、モロッコ製塩レモン瓶詰をひと瓶手に入れた。キンカンくらいの大きさの丸いプチレモンが透明な塩水に漬けられていて、瓶といい中身といい、エジプトのミニチュアみたいである。

いっぽう、我が日本製(ネットに出回っている日本語でレシピのほとんど)はちょっと風貌が違う。エジプト風ともモロッコ風とも違う。日本は「外から入ってくるものを全部日本風にしてしまう力」が高い。なので私はこれもそういったものではないかと疑っている。それとも、こういうレシピも、モロッコやエジプトに、あるいはどこか違うオリジナルな国にあるのであろうか。

ずっと疑問だったので、これを機に塩レモン+モロッコで調べてみた。ら、少なくともモロッコ版塩レモンは違う、ということはわかった。そもそもレモンが違うと言われてしまうと、ちょっと肩が落ちる。そうだよなあ、同じにはならんよなあ。しかもモロッコではつけ汁は捨て、レモン(の皮?)だけを使うのだと。

そうか。マラケシュのスークのこ汚い(ごめん)、カウンターに3-4人しか座れない店で食べた絶品チキンタジンも、フェズの客引きに呼び込まれた店が、座る前にメニューを見せてもらったら超高級なお値段だったので座るのをやめて店を出ると、同じ客引きが連れて行ってくれた別の手ごろな店の屋上で食べた、これも負けず劣らず絶品のチキンタジンも、さりげなくあの塩シトロンを効かせて作られていたのか。

本場モロッコ風塩レモン、作り方&料理
モロッコ料理店店主に聞いた!本場の塩レモンってどんな調味料なの!?

こんなのもあった。

モロッコ風”塩レモン” シトロン コンフィ ☆ Citron confit (limoni in conserva)

エジプト風は? と調べたが、こっちはヒットせず。私が見たあれはなんだったのだろう? 

モロッコでは酸味が少ない香りのよいレモンを使用するとのこと。確か近所の市場フリマスーパーにそんなのもあったような。モロッコ風を作りたい気がむくむくとわいて来ている…。

で、数日後、むくむくが消えないうちにと作ってみた。材料は香りが良く酸味が少ないとうたっていたアジアンレモンともう一種類(名前忘れた。調べた。マイヤー、か?)。こちらは冷蔵せずにおいている。一か月はそのままで、とあったので。

 

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