初リメイク?!ビーズネックレス

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巾着袋の紐止めにビーズを探していて、
気に入って使えるものが本当に少ないことがわかった。

選択肢がないのは、ビーズの穴が大きくなければ使えないからでもあるけれど、(いつでも買える)大量にあるものは、どれも似たようなプラスチックビーズ、もしくはウッドビーズで、まったくそそられない。アクセサリー用のちょっとおしゃれなガラスビーズは穴が小さくて全然ダメ。

近所の手芸屋さんで気に入ったのは、水牛の角ふうの一種類のみ。が、割引値段売り切りの最後のふた袋計16個を買ってしまえば、もう入ってこないような気がする。

ネットでも探してみた。手作りアクセサリー用ビーズやトンボ玉は山ほどある。パワーストーン天然石もざくざく。こちらは値段はともかく、やはり穴の大きさがネックで使えない(あのつるつるの真ん丸もあまり好みじゃない)。

うろついていたら、アンティークビーズショップにあたった。10粒1000円以下もあるけれど、高いものは0がもう二つつく。さすがに味があるなあと、本来の目的を忘れて眺めいっていて、ついに見つけてしまった。紐止め用じゃなくて、ずっとさがしていたヴェネツィアンガラス。無くしたネックレスとそっくりなビーズ。

大のお気に入りであった。ワイヤーの輪っかに、丸い銀泊入りのビーズをとびとびに嵌めてあるだけの大き目チョーカータイプ。15年くらい前に、(その時点で)ヴェネツィアに30年以上住んでおられた日本人女性から頂いた。軽く、涼しげでべたつかず、カジュアルにもフォーマルにもイケる。ずっと出番の多いマルチプレーヤートップの座にあったのに。

ウズベキスタンの、サマルカンドだったかタシケントだったか、確か市場を覗いたあとのこと。ふと気づいたら首からなくなっていた。そのあとヴェネツィアに行ったときも、日本でも、アクセサリー売り場の脇を通りかかった時などに、それなりに探してはみた。けれども、ヴェネツィアングラスといっても量産品の、しかもそんなに凝ったものでもないのに、そもそもおなじようなビーズについぞお目にかかったことがなかった。

届いたビーズは、少しイメージが違った。クオリティは高そうで、重みがある。穴も大きい。それでも何とか似たものが出来るんじゃないかと思う。

このショップで、目についたものがもう二つあった。一つはアウトレットコーナーに出ていた、エチオピアチェリーという大玉ビーズ。チェコ製で、エチオピアで好まれたことと、深みのあるチェリー色からの名前。ラグビーボールのような形をしていて、ひとつでも存在感があるし、ついふらふらと購入。19-20世紀頃のものという。

もうひとつはドゴンビーズという小粒(5×8mmくらい)のビーズ。ヴェネチアから交易品として西アフリカに輸出され、マリのドゴン族に伝わったもので、オパールのような乳白色から、ムーンビーズとも呼ばれるらしい。大きさや色合いが微妙に異なるものが二種類出ていて、それぞれ複数個(紐止めにするには二個必要だし)買おうと思ったのだが、いずれも一点ものだった。しかたなくひとつづ両方を購入。

この二種類のビーズが、どちらもヨーロッパからアフリカへ渡ったものだというのが興味深い。ショップには、実に様々な産地年代のビーズが並んでいるんだけれど、なかに古代ローマンビーズというのがあって、それがさらに、西アフリカ渡りと、アフガニスタン出土という二方向に分かれている。推定年代は紀元1世紀から4世紀とか、1世紀から13世紀とか。

数日後、別サイトでドゴンビーズによく似たものを見つけた。アフリカンシービーズとある。ガーナのクロボ族作のアンティークだという。6個でドゴン1個分のお値段で、こちらも購入。やはりドゴンとは乳白色の色合いも輝きも違っていたけれど、それなりの味わいはある。

面白いなあ。アフリカの西の砂漠の人たちが乳白色の小粒ムーンビーズが好きで、東の人たちがチェリー色の大粒ガラス玉が好きだったという「ナントカ好み」みたいなこととか、同じ地中海沿岸産のビーズがアフリカの南や、あるいはオリエントを超えて東のアフガニスタンにまで渡っていったこととか。そのうち、似たようなビーズを自分たちで作りだしちゃったりもして。

これらのローマンビーズは一連の長さで売られている。完成品に比べれば、手の出ない値段でもない。いいなあ、とは思うものの、たぶん買わない。理由は重いから。ビーズや石のネックレスはいくつか持っていて、大好きなのもあるんだけれど、最近は全くつけていない。一日首にぶら下げていると肩が凝るようになってしまったのだ。旅行中は特にダメ。カメラもぶら下げるので、相乗効果で肩がパンパンになる。

それでも、エチオピアンチェリーで自作(ただ糸を通しただけ)してみた。巾着の紐に使ったシルクの編み糸と、なかなか相性が良い。ドゴンビーズで挟んでのワイヤー通しも捨てがたかったけれど、糸のほうが温かみがあって、使えるシーンも多そう。

勢いづいて、壊れたネックレスのビーズもシルク糸でつないでみた。もともとは形の違うビーズを組み合わせて三連になっていた、30年くらい前のエスニックテイストのもの。そのビーズと同じ色の糸が屋根裏に眠っていた、というのもすごいよね。どちらも軽い出来あがりで、これなら使えそう。

と、ビーズにハマりそうで怖い。ハマった人を何人か知っている。ヴェネツィアンビーズに魅入られて、趣味のアクセサリーづくりが仕事になってしまった人もいる。でも、私はああいうふうにはハマらないんじゃないかとも思う。つまり、ビーズで細工をするということには。

その後メルカリも探してみた。膨大な数が出ている。シンプルな模様と渋めの色合いのとんぼ玉で、かつ穴の大きなものを発見し、購入。その時のやりとりに思うところもあったので、届いたらまきっと何か書くだろう。あるいは、何かにリメイクできたら…。

 

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左下がヴェネツィアンビーズ(現代)、右下がドゴンビーズ(19世紀)。右上はアフリカンシービーズ。ドゴンビーズとアフリカンシービーズは似ているけれど、よく見ると輝きや質感がかなり違う。
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ドゴンビーズ

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