綿麻の季節が終わり、いきなりシルク・ウールの季節となった。
20数年前、プロにマタニティー用に縫ってもらった泥大島のロングワンピースが。
お腹が元に戻って、身幅を直してもらった。
このたびのフィーバーで昔の着物リメイクを引っ張り出してみたのだが、
この泥大島が悲しいことになったいた。
点々としみのようなものがある。洗ってみたら一部白っぽい水玉模様になった。カビであった。ちゃんと洗って保管してたのに。でもずいぶん長いことしまいっぱなしだったからなあ。調べてみたら大島は糊が残っていたりして、カビが生えやすいという。メンテナンスは苦手だけれど、しっかりと着ていればその都度洗濯をするし、こんなことにはならなかったはず。
教訓:着物リメイクはちゃんと着てあげること!
カビの部分は色がすっかり抜け、布の力も弱くなっている。ここに手持ちの泥大島を張り付けることを思い立った。楽勝と思いきや、一日仕事になってしまった。
ぞろぞろと長い丈を詰めるべく裾部分をカット。前あきのチュニックにリメイクするべくあちこちほどくも…、プロの丁寧な縫いが立ちはだかる。ミシンできっちりコバステッチをかけた洋服というのは、実にほどきにくい。加えて予想外だったのは大島の扱いにくさ。柔らかくなった絹は綿麻のようにはいかず、縫いテクに難ありは神経を使う。
とはいえ、なんとか思うようになったのはやれやれであった。
もうひとつプロ仕事に対して思ったこと。これは私も悪いのだが、このブラウスがイマイチ着にくい。袖山が高すぎて、腕を動かす時に若干負荷を感じるのだ。腕をおろしたままじっと動かさなければラインはきれい。でもそれで着心地が損なわれるのはいただけない。仮縫いでそこを指摘しなければいけなかった。あの頃の私はこういったことがよく解っていなかった。
この度もう少し情熱と根性があれば、袖山を低くカットしなおしてリメイクしたかったけれど、きらいな袖縫いであることからも断念。
それより気持ちは、(この作業でインスパイアされてか)プロジェクトにあげている泥大島に移ってしまった。やっぱりゼロから自分の好きなように形を作りたい。こちらの泥大島、つぎはぎだらけのくたくたなれど、模様はさらなり、光沢も素晴らしい。これほど継いだりはいだりするくらい大事にされた、その思いを受け継ぐような一枚を作りたい。と、それなりに頑張った話は別記事で…。
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