くるみボタンのピンバッジとボタンばなし

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くるみボタンのピンバッジ

 

くるみボタン+ピンズ(ピンバッジ)のパーツセット10個724円が届いた。
さっそくはおりジャケットの友布でつくってみた。
所要時間3分、もかからなかったかも!

購入先は楽天のクラフトモンキーというお店。くるみぼたんや缶バッジ、クラフト材料なんかを扱っている。

くるみぼたんは、外側(表)パーツと内側(裏)パーツに分かれていて、表パーツを布でくるんで裏パーツで押さえる。サイズごとに専用の打ち具というのが必要で、これも同時に購入。113円。

ピンズ用は、ボタンの裏側に糸で縫いつけるための足がない。このフラットな裏面に画びょうのようなピンをグルードットという接着パーツで張り付ける。ほんと、あっというまに完成である。

金属パーツはチープ感あふれるアルミだけれど、とっても軽い。ピンの台はラバーで、これもプラス評価。留め具も軽い。気になったのは、ピンのささり具合。手持ちのものより若干太いような気がするのは、刺さるときの布地に抵抗感があるから。ピン先のとがり具合の問題か? 布地を痛めるんじゃないかと、ちょっと気になった。

でも、見た感じはGOOOOD! ベルトをリボンに結ぶと、目立つ金色ピンバッジより落ち着いて見える。

 

ボタンばなし

洋服のデザインで、ボタンの果たす役割はすこぶる大きい。と思うのだが、二年前にコートを仕立てた際、近所の手芸材料店ボタンコーナーにぴったりくるものがなく、迷った末に、まあこれでいいか的に選ばざるを得なかった。

着物リメイクをプロにお願いした際も、ボタンをおまかせで頼むとイマイチ気に入らないことが多かった。ボタン自体はおしゃれで高級感があっても、なんかおばさんくさいなあ、とか。けれども、自分で選ぼうにも手芸店のあの選択肢の無さでは選びようがない。

そういえば昔はボタン専門店というのがあった。ちょっとしたアクセサリーも置いていて、モードな雰囲気が漂っていた。知らぬ間に、店そのものが街角から消えていた。

先日、ルーシー・リーというイギリスの陶芸家がボタンも作っていたことを初めて知った。その昔、アンティーク着物やその他もろもろで親しくしていた骨董ギャラリーカフェ店主、着物リメイクで思い出したのを機に久しぶりに訪ねたら、もうカフェもギャラリーもやめていて、美術品や骨董のオークション売買をなりわいにしていた。

その彼が、つい最近リーのボタンを落としたので、仕入れにまとまった金が必要だという。額を聞いてびっくりしたのだが、リーの作品集のボタンの写真にもびっくりした。もうそのまんまアクセサリーのクオリティーもあれば、身近に使うに適した美しさと味わいのあるものある。1940年代、金属ボタンが不足する戦時下の10年間、生計のためにリーはボタンを焼いた。亡くなった後、そのうち600個余りが友人である三宅一生に送られたのだという。

ルーシー・リーのバイオグラフィー ボタンの写真あり

そんな話を、姜尚中がやっていたころの日曜美術館が取り上げていて、ネットで観た。すごいなあと思ったのは、三宅一生が彼女のボタンを使って作ったという生成り白のジャケット。少しいびつな、ぼってりとした白の色のボタンがでかい! そう、ボタンは大きさも大事だ(概して日本のボタン使いは小ぶりで、バランスが悪かったりする)。

このでかさに拮抗するデザイン力のすごさ。リーの陶器に感じられる和のテイストと、三宅一生持ち味の和洋のテイストが実にマッチしていた。シャープなのに暖かい、融通無碍の着物をほうふつさせるゆとり。空気をはらんだデザイン、というようなことを番組内で言っていた。

思い出すのは数年前、サルデーニャのカリアリのホテルの向かいにあったハンドメイドのブティック。並べられていた服のデザインも素晴らしかったけれど、感服したのはインパクトのあるボタン。ああ、こういうボタンが日本にはないのよね、とため息が出た。あの店にもう一度行きたい…。

イタリアのボタン使いでもうひとつ思い出した。シャツブラウスのボタンの位置である。台衿のあるYシャツタイプは、スーツのインにもするし、誰もが何枚か持っているはず。で、たいていきっちりと第一ボタンを留めたりはせず、たぶん第三ボタンまではずして着用してるんじゃないだろうか。

この第三ボタンの位置が、日本製とイタリア製では数センチイタリアが低い。つまりアキが深いのである。イタリアでは女も男もセクシーである(に見せる)ことが高評価ではあるけれど、それ以上に全体のバランスを重視しているような気がする。一番きれいに、一番カッコ良く見えるバランス。イタリアは色使いも素晴らしいが、それ以上に脱帽するのは、こういうボタンの大きさや位置にまで及ぶ、細部まで貫徹した美的バランス感覚だったりする。

 

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