自作の紹介記事第一弾は、二年ほど前にふと思い立って縫った一着。
着物地は大昔に買ったビンテージ着物の端切れ。
袖二枚分と、同じ長さでもう一枚。
その三枚をさささと縫い合わせただけの超イージー作品。
手縫いでもたいした手間はかからなさそうである。
作り方は説明するまでもないほどに簡単で、全巾の布を横に使い、T字型(横棒が長い)に縫い合わせるだけ。身ごろ下部分はぐるりと回し、背中で縫い合わせる。端の始末はこの身ごろ下背中の部分だけ端ミシンで処理。衿のあきは30㎝。前側は後ろより少し大きくカーブをつけて二つ折りに折り込み、まつり縫い。袖口は三つ折りまつり縫い。裾はそのままでもいいけれど、やはり二つ折りにしてまつり縫いした。
着物リメイクではたいてい着物地を縦に使うけれど(服地の場合も縦が基本)、ここでは横に使っているのがミソ。模様が大胆に斜めにつながってとても粋な一枚となった。残念ながら柄合わせは前だけだけれど、限られたぶつ切り三枚では仕方ない。前をこれだけ合わせられただけでオンの字。
布は縮緬で、かつ綸子のように波の地模様が入っている。着るとさらりと肩から落ちて、ドレープがとてもきれい。下にドルーマン袖(7分袖くらいの黒)の薄いシルクTシャツを着て、スリムジーンズを合わせるのがお気に入りの組み合わせ。
着物地は本当に個性的な模様が多い。クオリティの高いシルクで、世界に一着だけのとっておきのブラウスが、こんなにあっさりと出来てしまう。が、とにかく布地で勝負なので、どのような着物地と出会えるかが大きい。これはたぶん昔よく通っていた(知人の)骨董喫茶で買ったものだと思う。薀蓄もなつかしく、今思うと貴重なお店、貴重な知人であった。ずいぶん会っていないけれど、どうしているだろう。
印象的な模様は源氏香という。
源氏香とは、5種類の香りの組み合わせを、52パターンのうちから当てるという、なんとも優雅な組香ゲーム。その52パターンを5本の棒の組み合わせであらわし、かつ源氏物語(54条のうち最初と最後を除いた)52条の巻名で答える。つまり、櫛の歯のような模様が52種類あって、呼び名が源氏物語の巻名というわけ。
手ぬぐいやさんのHPに図付きで解説があった。しばし照らし合わせて名前など確認してみる。
なるほど、手ぬぐい模様にも源氏香があるんだね。その解説をこんなに丁寧にしてくれているショップってすごいかも。とオンラインショップを覗きながら、手ぬぐい三枚でも上記パターンでトップスが出来そうと思いつく。手ぬぐい柄には面白いものが多いし、Tシャツ感覚の肌触りの良いものができそう。
サイズを見ると35×90㎝とある。身ごろ下が一枚だときついかもしれない。もう一枚使ってもいいけれど、左右に10センチほど脇に(もしくはどこか一か所に20センチ程度)足してもイイ。端切れやハンカチや、着なくなって捨てようと思っていた洋服からとってくるとか。100円ショップのバンダナなんかでもいいかも。要は35×20㎝があればいいのだ。
あと、袖の長さも短くなってしまう。Tシャツ感覚で短いのはいいんだけれど、脇にかけての空きがちょっと大きくなる。手ぬぐいなら素肌に着たいので、ちょっと工夫が必要。と頭の中ではすでに完成図が浮かんでいる。いつかやってみよう。
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