花粉用つるつるコート半分リメイク

posted in: Jackets | 0

P3202473

薬のおかげも多分あって、今年はそれほどひどくはない。
とはいえ、外出するとマスクをしてても鼻に来る。
なるべく花粉を身にまとわないように、家に持ち込まないようにしなければいけない。
寒くてもファーの衿まきはご法度。毛足の長いウールのコートももう着られない。
つるつるコートの出番である。

ダウンコートと、ライナーつき薄手コートをもう10年も15年も着ている。この二着にちょっと飽きてきて、そうだ!と思い出したのがからし色のツルピカ素材のコートである。といってもこちらは20年前のシロモノ。ラインがぜんぜんいただけない。なんで昔はあんな肩の落ちた、ぶかぶかで袖の太いダサいラインが人気だったのだろう。質も良し、仕立ても良し、デザインだって結構凝った、それなりに名の知れたデザイナーズブランドのものなのに。

一度は捨てようかとも思った。思い直して、災害用デカタッパに毛布や下着とともに詰め込んだ。ライナー付で雨にも強そうなナイロン製、ハード使用に耐えるかなと。

そんな日陰の身から取り出してみれば、押し込まれていたのにするりとしわも伸びて、全然現役でいけるぜ!という顔をしている。脇とそでをほどき、以前縫ったお気に入りのコート用型紙をあてて身ごろと袖をカットし、縫い直した。ほどきと裁断に三夜、縫いに一夜。何が大変といってほどき。実にがっつりとした縫いであった。ライナーも袖付きだったのだが、さすがに疲れたので袖なしにした。

この半リメイクが楽なのは、衿、前あわせ、ポケットをそのまま利用できること。フラップ付のポケットなんて自力じゃ絶対やらないもん。

この前ヤフオクで落とした大島紬を端切れのまま首に巻く。色合いもバッチリ。

先日、このコートを着て久しぶりにデパートに行った。友人との待ち合わせまで30分時間があったので時間つぶしに。婦人服売り場は、コートもジャケットもパンツも、淡いピンク・ブルーが主流。わかるけどさ、このみんな同じというのが気に入らない。ツルピカからし色はちょっと浮いてたけど、でも、オンリーワンではあったよ。

 

p.s.

 

coat-yt

友人が全体を見たいと言ってくれたのでアップ。

どうってことないストンとしたシルエット。ラッキーだったのは、たまたま手に取った着物リメイクの本で、自分の体に合った型紙に出会えたこと。
すっかり気に入って、同じ型紙ですでに二着も縫っているのだ(そのうちお披露目するね)。

 

あらためて思うのだけれど、持ってる服の多さ。お店一軒開けるくらい。一人で着るなら一生分、というか何十生分もある。捨てられない性格ながらそれでも捨ててきたし、もらってもらったり、ボランティア団体に送ったり、リサイクルショップに売ったりもした。なのに、ぜんぜん減ったかんじがしない。流行追っかける歳でもないし、金もないしで、ほとんど買わなくなっているのに。でもこれ、私だけのことじゃないでしょ。

おばさんやばーさんになると、時間のタームが長くなる。流行なんて追っかける歳でもないし、という言い方は正確ではなくて、若い時の1年が5年、10年というタームに広がってしまったがために、市場のしかけに乗れないのだ。ファッション情報なんてもう自分から取りにはいかないし、若い子むけの服は体に合わなかったり、全然似合わなかったりもする。でも、20年前のラインの服は着る気がしない。山ほど服があるのに、着るものがない。それで同じ服ばかり着ている。

20年なんてついこの間とのことである。50年や60年前のものはざら、という着物に触れていると、余計そう感じる。いずれもまだまだ現役で行けるのだ。だから、ツルピカコートがもう一度光の当たる場所に復活を遂げてくれたのが、とても嬉しい。

それにしても、中高年向けのおしゃれな服屋さんというのが少ない。老人向けとなるともう全然ない。夫の母93歳は体が小さくてもっと大変。ムスコが小学生だったときのおさがり(っていうのか?)を着ていたりする。年寄りはおしゃれに関心がない、というのが大前提のようになっているけれど、そんなことはない。もう自分で買いに行けないので選んで買って行くと、早速身に着け、似合っているかしら、と鏡の前に立つ。

着心地だけでなくて、身につけた時に気持ちの良い服というのが絶対ある。自分のための、自分が心楽しくあるためのおしゃれ。そういうおしゃれ心を90歳でも100歳でも持ち続けられて、それが叶えられるといいなあ。これからそこに向かう身として。

 

コメントする

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください