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着物~ビンテージキモノ
~Kimono Remake

若いころにハマった着物、いつしか遠ざかってしまった着物、ビンテージ(アンティーク)キモノの面白さに、プロにワンピースやアロハシャツを仕立ててもらったこともあった。それもまた遠い昔のこと。

そんな忘れていたキモノリメイク熱が、ある日突然一枚の浴衣地で復活した。このたびはオリジナル&ハンドメイドでチャレンジ。一部簡単レシピも公開。[本文を読む…]

Open宣言:浴衣から始めよう

 

  • 花粉用つるつるコート半分リメイク
    03/20 2018

    花粉用つるつるコート半分リメイク

    薬のおかげも多分あって、今年はそれほどひどくはない。 とはいえ、外出するとマスクをしてても鼻に来る。 なるべく花粉を身にまとわないように、家に持ち込まないようにしなければいけない。 寒くてもファーの衿まきはご法度。毛足の長いウールのコートももう着られない。 つるつるコートの出番である。 ダウンコートと、ライナーつき薄手コートをもう10年も15年も着ている。この二着にちょっと飽きてきて、そうだ!と思い出したのがからし色のツルピカ素材のコートである。といってもこちらは20年前のシロモノ。ラインがぜんぜんいただけない。なんで昔はあんな肩の落ちた、ぶかぶかで袖の太いダサいラインが人気だったのだろう。質も良し、仕立ても良し、デザインだって結構凝った、それなりに名の知れたデザイナーズブランドのものなのに。 一度は捨てようかとも思った。思い直して、災害用デカタッパに毛布や下着とともに詰め込んだ。ライナー付で雨にも強そうなナイロン製、ハード使用に耐えるかなと。 そんな日陰の身から取り出してみれば、押し込まれていたのにするりとしわも伸びて、全然現役でいけるぜ!という顔をしている。脇とそでをほどき、以前縫ったお気に入りのコート用型紙をあてて身ごろと袖をカットし、縫い直した。ほどきと裁断に三夜、縫いに一夜。何が大変といってほどき。実にがっつりとした縫いであった。ライナーも袖付きだったのだが、さすがに疲れたので袖なしにした。 この半リメイクが楽なのは、衿、前あわせ、ポケットをそのまま利用できること。フラップ付のポケットなんて自力じゃ絶対やらないもん。 この前ヤフオクで落とした大島紬を端切れのまま首に巻く。色合いもバッチリ。 先日、このコートを着て久しぶりにデパートに行った。友人との待ち合わせまで30分時間があったので時間つぶしに。婦人服売り場は、コートもジャケットもパンツも、淡いピンク・ブルーが主流。わかるけどさ、このみんな同じというのが気に入らない。ツルピカからし色はちょっと浮いてたけど、でも、オンリーワンではあったよ。   p.s.   友人が全体を見たいと言ってくれたのでアップ。 どうってことないストンとしたシルエット。ラッキーだったのは、たまたま手に取った着物リメイクの本で、自分の体に合った型紙に出会えたこと。 すっかり気に入って、同じ型紙ですでに二着も縫っているのだ(そのうちお披露目するね)。   あらためて思うのだけれど、持ってる服の多さ。お店一軒開けるくらい。一人で着るなら一生分、というか何十生分もある。捨てられない性格ながらそれでも捨ててきたし、もらってもらったり、ボランティア団体に送ったり、リサイクルショップに売ったりもした。なのに、ぜんぜん減ったかんじがしない。流行追っかける歳でもないし、金もないしで、ほとんど買わなくなっているのに。でもこれ、私だけのことじゃないでしょ。 おばさんやばーさんになると、時間のタームが長くなる。流行なんて追っかける歳でもないし、という言い方は正確ではなくて、若い時の1年が5年、10年というタームに広がってしまったがために、市場のしかけに乗れないのだ。ファッション情報なんてもう自分から取りにはいかないし、若い子むけの服は体に合わなかったり、全然似合わなかったりもする。でも、20年前のラインの服は着る気がしない。山ほど服があるのに、着るものがない。それで同じ服ばかり着ている。 20年なんてついこの間とのことである。50年や60年前のものはざら、という着物に触れていると、余計そう感じる。いずれもまだまだ現役で行けるのだ。だから、ツルピカコートがもう一度光の当たる場所に復活を遂げてくれたのが、とても嬉しい。 それにしても、中高年向けのおしゃれな服屋さんというのが少ない。老人向けとなるともう全然ない。夫の母93歳は体が小さくてもっと大変。ムスコが小学生だったときのおさがり(っていうのか?)を着ていたりする。年寄りはおしゃれに関心がない、というのが大前提のようになっているけれど、そんなことはない。もう自分で買いに行けないので選んで買って行くと、早速身に着け、似合っているかしら、と鏡の前に立つ。 着心地だけでなくて、身につけた時に気持ちの良い服というのが絶対ある。自分のための、自分が心楽しくあるためのおしゃれ。そういうおしゃれ心を90歳でも100歳でも持ち続けられて、それが叶えられるといいなあ。これからそこに向かう身として。  
  • 帯からぺたんこ財布
    02/09 2018

    帯からぺたんこ財布

    今年の課題は帯と先日手に入れたカラフル大島&銘仙! なのだけれど、突然思い立って(必要にかられて)財布を縫った。 大昔、ピンクに銀糸が織り込まれた着物地(たぶん羽織だった)を手に入れ、 それでプロにバッグをオーダーした。 そしたらおまけについてきたのが奥のぺたんこ長財布。 旅行に携行するのに軽くておしゃれでとっても素敵、なんだけれど、 あと1センチ幅が短いとちょうどおさまりが良い。 ずっと頭の隅にあった、バッグを縫おうと思っていた帯地で縫ってみた(手前)。 最初のは端を手縫いしたらなみなみになってしまったので、今夜リベンジ。 厚い接着芯も貼って、裏も全て帯地で作ったら、しっかりとしたのができた。 とりあえず旅行にはこれで足りる、かな。 しかし、ほんと、着物地、帯地の布力のすごさ。  
  • フリマとオークションで大島と銘仙を入手
    02/06 2018

    フリマとオークションで大島と銘仙を入手

    しばらく前に某フリマでポイントをもらったので、 それで大島紬(墨黒に赤緑黄の縞)をゲット! その勢いでヤフオクでも大島(↑これはまだ届いていないけど)と銘仙を落としてしまった。 解いた着物も解いていない着物もあるのに、大島紬や琉球絣の色や柄ゆきに目がくらんでしまったのだ。 これ以上はリメイクを果たしてどこかへ送り出すなどして、保管用の引出しが空いてからにしなければと、自省している。 夜、先に届いた紺地の格子を洗ってアイロンがけ。 静電気がすごい。本物かしら? でもすごくしっかりとしてるし、まあ、本物ということにしておこう。 で、1週間後にスペイン。こんなことをしてるヒマはないのだ…。
  • 梅と椿のスカーフ&和の色のはなし
    01/05 2018

    梅と椿のスカーフ&和の色のはなし

      よくは覚えていないのだが、 たぶん色合いが気に入って端切れを買ったのだと思う。 半幅に折って軽く縫い合わせ、スカーフにして使っていた小紋。 春さきや秋くちの、ジャケットや薄いコートの襟もとのアクセント&温度調整にぴったりで、11月初旬の旅行中もしょっちゅう首に巻いていた(模様的には今が旬だけれど)。 着物地というのはスカーフにするのに良さげな、とってもおしゃれなものが多い。けれども織りのタイプによって、スカーフにはしにくいクセのあるものもある。てろんとしていて、軽いふくらみが出ない。この小紋もそうで、なのでこれまであまり出番なくしまいこまれていた。 このたび旅先で見直したのは、やはり独特の色合いとテクスチャー感。仕舞い込むには惜しい味わいに、もう少し使いまわせるよう、手を加えてみることにした(昨年11月末)。 深い紫に落ち着いた紅色の梅と椿。椿の花芯や葉の照り、梅のしべに、金が筆でさっと描き足されている。合わせるにほど良い色合いの茜色の八掛があったので、袋に縫ってみた。裏と表を半々に巻いても良いし、茜色主体で巻いても、着物地特有のこっくりした陰影があってなかなか良い。全体にボリュームも出て、使いやすくなった。 茜色以外の色も、本当は和の色のちゃんとした名前があって、そちらで呼んでやりたいような色である。けれどもこれを何と呼んでいいのか。残念ながら今の日本では、そんな日本の伝統色の名前自体が、共通の色の呼び名として流通していない。 赤も紺も紫も、ひとくちで赤と紺と紫と言うのは無理なほどに、色々な色合いがある。いつだったか、イタリアの紺と日本の紺が違うことに気付いた。新鮮な驚きだった。紺という、日本でもスーツや制服によく使われる色は、イタリアでもミラネーゼが大好きなコンサバティブな定番の色。その定番色に、彼と我で明らかに異なる傾向性のようなものがある。利休好み、という言い方があるけれど、これはもうイタリア好み、日本好み、というしかないような差異なのである。 この差異は着物の色使いとくらべると、一層はっきりと感じる。たとえば伝統色の紫。古代紫や今紫(江戸紫)という色の好みの変遷や地域性が名前に反映されていたりして、(昔の)日本は紫の幅が広いというか、グラデーションの階層が厚いというか。この紫の(呼び名の)多さを見ても、紫は日本の伝統色の代表格のように思える。だからだろうか、日本で紺といった場合、その底に紫が潜んでいるような気がする。一方イタリアの紺のジャケットに紫の気配は感じない。 国や地域によっては、用いられる染料が違う。植物であったり、動物であったり、鉱物であったり。加えて、気候風土自然の色合いが違う。そういったことも好みの色をかたち作っていくのであろう。 ところで、イタリアでブルーという色は日本の私たちがブルーでイメージする色とは違うのでご注意。イタリアでは濃い青、つまり紺色のことである。日本のブルーは空の青だろうか。あるいはもう少し淡い感じもする。ブルーの瞳とか。空の青はイタリア語ではアッズーロ、サッカーのイタリアナショナルチームのユニフォームの色である(チームは複数形にしてアッズーリとも呼ばれる)。 洋のスカーフに、ジャポネスクな模様は数多く取り入れられている。でも、着物地と圧倒的に異なるのは、やはり色。着物の華やかな派手さも、シブい色の組み合わせも、どちらも独特の色合いで、それを再現などできない。もちろん、する必要もないのだけれど。 などと書きながら、たしか伝統色の辞典を持っていたような気がして本棚を探したけれど、見つからなかった。YMCK(印刷の4色)の色指定用に、分厚いカラーチップも持っていたのに、それもどこかにいってしまった。さみしくなってネットをあさったら、伝統色もそのYMCKの比率もサイトにあって、しばし眺めてしまった。 そのサイトで我がスカーフの色を調べたら、地色が至極色(しごくいろ)、椿と梅は真紅と蘇芳(すおう)の中間くらいという感じ。でも、モニターでどれだけ正確に色が出ているかも不明で、ちゃんとした色辞典がやっぱり欲しくなってしまった。 参考サイト: Nipponcolors.com 伝統色のいろは WEB色見本./和色大辞典 Color-Sample.com   p.s. おまけでイタリア語と色に関するうんちくをもうひとつ。セピア色というと、白黒だったのが、黄ばんだ背景にすすけたグラデーションの茶色になった写真が浮かぶ。思い出に「セピア色の」という形容詞がつくと、総天然色の過去が、退色した、たった二色の切ない色合いに還元された、懐かしい、ロマンチックですらある(しばしねつ造と忘却を伴う)記憶、というニュアンスになる。 このセピア(イタリア語の発音はセッピア、たいてい複数形でセッピエと言う)、イタリア語ではイカ(コウイカ)のこと。なので、イカスミのスパゲッティはSpaghetti al(またはcon) nero delle seppie。略してSpaghetti Neri。このネーロ(複数ネーリ)が黒、つまり墨。その昔、イカスミはインクとしても利用されていたのだとか。これまた「ちょっとイメージ違うやん」というおはなし。   p.s.2 写真がやっぱりネックだなあ。今回色の話しだったのでさすがに気になって、写真を撮りなおした。色はどちらも微妙に違う。夕べ撮ったものは蛍光灯の光のせいか、全体に青みがかった色で、どうせモニターでまた違ってしまうにしても、いい加減な我ながら納得がいかなかった。それで撮り直して、かつPCで明るさを落としたりして、何とか近い色にはなった。 それにしても、ものを撮るのは難しくて、かつ面白くない。なんて言ってるからいつまでも写真がへたなのか。 ところで私、今年の第一作に何を縫うんだろう。課題は帯のバッグ。なんだけれど、固い布用の針を買いに行くのが面倒で。あとミシンもしまっちゃったし。このまま冬眠ってこともあり得る…。  
  • Capo d'Anno! リメイクお飾りーす
    01/03 2018

    Capo d’Anno! リメイクお飾りーす

    これもリメイクと、出してみることにする。 たいした正月ネタもないので。 昨年、クリスマスが過ぎ、年末仕事にとりかかるのがいやでずるずるしていた頃、伸びすぎたローズマリーの枝を二本切った。このローズマリー、実に元気なやつで、すくすくとフェンスの網をくぐり、隣の庭まで伸びてしまう。 お隣さんにしては憎き侵入者。ぼきっと境界線のあたりでへし折られ、我が家側に押し戻されていたりする。そうならないうちに切らなけれいけないのだが、つい怠ってしまうほっぽらかし体質なのが我が家。 去年切ったのは階段の上り下りに(自分にとって)邪魔になっていたからである。しかも、邪魔だなあ、と思ってからかなりたってのこと(新聞屋さんもじゃまだったでしょうに)。見ると、ローズマリーに絡んでいる野草のツルが隣家から押し戻されている。ヘクソカズラ。オオイヌフグリと双璧を成すあんまりな命名の雑草(どちらの花もとてもかれんなのに)。 茶色の実がついたつるを引きむしった。捨てるつもりで引きむしったのだが、ローズマリーと併せてリースにしてみようと思い立った。クリスマス前につくれよ! と自分に突っ込みを入れつつ。 ただくるりとわっかにしただけのイージーリメイク。地味だけど、ぜんぜんたいしたことないけど、でもなんだか気分は良い。「どうだ!」感がないのも好ましいじゃないか。と勝手に慰めておく。 そのまま年を越す寸前の30日、小さいミカンでも吊るせばお飾りにリメイクできるのではないか、とひらめいた。振り向けば、お誂えむきのものがベランダにある。鉢植えのブラッドオレンジが、これも滴下せずにほっぽらかしておいたら、大きくなれずにいくつか実をつけていた。よっしゃ。 という次第のめでたいCapo d’Anno!   p.s. ヘクソカズラをくるくるしただけのも結構気に入ってます…  
  • 塩レモン一年分
    12/27 2017

    塩レモン一年分

    去年作った塩レモンがもうすぐなくなるタイミングで、 よくしたものでレモンが出回る時期となった。 20年農薬を使っていないという自慢の無農薬レモン一個100円を20個買ったら、 3個おまけがついてきた。 どれもぶつぶつと黒いあばた顔である。特におまけはゴマまぶしのおはぎのよう。きれいなものを選別し(18個くらいだったかな)、あとは果汁のみ使用。 作ってみたら果汁が足りなくて、近所の農家マーケット(市場とスーパーとフリマを足して三で割ったような売り場)から、3個で150円が100円に値下げになっていたやつを追加購入。こちらは無農薬とうたってはいないけれど、ノーワックスだし、輸入物よりはぜんぜんマシだと思う。 作り方はいたって簡単。去年も適当レシピでうまくできたので、それを思い出しながら今年も適当に作る。要は、レモンに対して塩15%、これだけである(塩の割合は10-20%とされているもよう)。 それでもざっくり作り方を書いておこうか。 ①よく洗ったレモンの水けをふきとる(あるいは乾くまで放置しておく) ②レモンの端を切り落とし、重さをはかり、15%の塩(あらじおなどが良)を用意する。 ③レモンは、輪切り、くし型などに適当に切りわける。水分がなるべく出やすいように、断面が斜めになるよう包丁を入れると良い。 ④塩でまぶしながら瓶*に詰めていき、最後に残った塩で上部をおおう。 ⑤時々瓶の上下をひっくり返して、溶けた塩+果汁がまんべんなく行きわたるようにする。 ⑥翌日になってレモンがかぶるくらい水分が上がってこない場合は、レモン果汁**を足す。 ⑦この状態で室温で1週間(時々ひっくり返しながら)置く。 ⑧1週間から10日で食べられるようになる。あとは冷蔵庫で保存する。   *瓶は煮沸せよ、とたいていのレシピにあるけれど、去年、しない瓶も問題なかったので、今年は全てではしょった。ただし、金属の蓋は要注意。レモン酸で錆びてしまう。プラスチックの蓋と、蓋の内側がビニールコーティングしてあるものを使った。 **水分が上がってこない場合は塩水を足す、というレシピもあり。今年は結構果汁をたくさん足した。味は未検証。   これをどんな料理に使うのか。クックパッドなんかに山ほど載っているけれど、チキンタジン(チキンと根菜の煮込み)なんかがおすすめ。 オリーブオイルと、水分が足りない場合は少し水を足しながら、玉ねぎとトリとジャガイモ、カブ、ニンジンなんかに塩レモンで適当に蒸し煮する。塩・コショウ・ハーブも少し。 先日最後に残った去年の塩レモンでつくったら、一年物塩レモンは発酵も進んで、煮込んでしまうとレモンのきつい味は全くせず。トリはやわらかでうまみが増し、美味であった。 でも、一番簡単で使いやすいのはサラダ。我が家のこの一年の消費のほとんどもサラダドレッシングなのである。 ①小瓶に小分けする程度の量をフードプロセッサーでペースト状にしておく。 ②サラダ用の鉢に塩レモンペースト適宜+エキストラバージンオリーブオイル適宜+ひいた粒こしょう適宜を入れ、混ぜる。 ③サラダ鉢にセロリそぎ切り、セロリの柔らか葉っぱきざみ、釜揚げシラス(もしくは干ししらす)を入れ、良く混ぜる。 ※野菜は大根、カイワレ、カブ、キュウリ、レタス、水菜など、どんな野菜でもOK。野菜の相方は相性を懸案し、シラスの代わりにハム千切り、痛めベーコン、昨夜の残ったステーキ薄切り(もちろんローストビーフも)、ツナ缶、油揚げ、チーズなどを組み合わせる。ゆでたタコも塩レモンサラダの定番で、セロリorキュウリ(+ドライトマト+輪切り唐辛子)が定番だけれど、意外なところではゆでジャガイモとタコもGood。 ※味に変化をつけるには、ポン酢を加えたり(和風になる)、粒マスタードを加えたり(冬の柔らかいカブ+カブの葉の細切れなんかによく合う)。   ところでこの塩レモン、どこからやって来たのだろう。レモンのたくさん採れる国がオリジナルであるのは確かだろう。どこかで、モロッコでは家庭で漬ける(今は市場で買う)梅干しのような存在だ、と聞いたことがある。 私が見かけたのはエジプトである。旧市街の細いショッピングストリート。茶店とか金物屋とかが並んでいるあたり。でっかいバケツみたいな瓶に、レモンがまるごと漬けて売られていた。汁は、透明であった。 まだ食べていないけれど、モロッコ製塩レモン瓶詰をひと瓶手に入れた。キンカンくらいの大きさの丸いプチレモンが透明な塩水に漬けられていて、瓶といい中身といい、エジプトのミニチュアみたいである。 いっぽう、我が日本製(ネットに出回っている日本語でレシピのほとんど)はちょっと風貌が違う。エジプト風ともモロッコ風とも違う。日本は「外から入ってくるものを全部日本風にしてしまう力」が高い。なので私はこれもそういったものではないかと疑っている。それとも、こういうレシピも、モロッコやエジプトに、あるいはどこか違うオリジナルな国にあるのであろうか。 ずっと疑問だったので、これを機に塩レモン+モロッコで調べてみた。ら、少なくともモロッコ版塩レモンは違う、ということはわかった。そもそもレモンが違うと言われてしまうと、ちょっと肩が落ちる。そうだよなあ、同じにはならんよなあ。しかもモロッコではつけ汁は捨て、レモン(の皮?)だけを使うのだと。 そうか。マラケシュのスークのこ汚い(ごめん)、カウンターに3-4人しか座れない店で食べた絶品チキンタジンも、フェズの客引きに呼び込まれた店が、座る前にメニューを見せてもらったら超高級なお値段だったので座るのをやめて店を出ると、同じ客引きが連れて行ってくれた別の手ごろな店の屋上で食べた、これも負けず劣らず絶品のチキンタジンも、さりげなくあの塩シトロンを効かせて作られていたのか。 本場モロッコ風塩レモン、作り方&料理 モロッコ料理店店主に聞いた!本場の塩レモンってどんな調味料なの!? こんなのもあった。 モロッコ風”塩レモン” シトロン コンフィ ☆ Citron confit (limoni in conserva) エジプト風は? と調べたが、こっちはヒットせず。私が見たあれはなんだったのだろう?  モロッコでは酸味が少ない香りのよいレモンを使用するとのこと。確か近所の市場フリマスーパーにそんなのもあったような。モロッコ風を作りたい気がむくむくとわいて来ている…。 で、数日後、むくむくが消えないうちにと作ってみた。材料は香りが良く酸味が少ないとうたっていたアジアンレモンともう一種類(名前忘れた。調べた。マイヤー、か?)。こちらは冷蔵せずにおいている。一か月はそのままで、とあったので。    

 

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